【神楽坂・飯田橋】えぞ松のホイコーロ定食で気づいた味噌の秘密

えぞ松(神楽坂店)のホイコーロー定食 写真=筆者

酒は新宿神楽坂。えぞ松の「ホイコーロ」も忘れてはならない同地の名物だ。

再開発が進む飯田橋駅周辺は交通アクセスに恵まれたビジネス街。同時に法政大学や東京理科大学などがある学生街でもある。青春時代を過ごした人も多いことだろう。法大が母校である私もその一人だ。

学生時代から食欲旺盛だったので、1990年代当時はえぞ松によく通った。当時からの人気メニューがボリューム満点の「ホイコーロ定食」だ。雑誌などでもB級グルメの逸品として取り上げられることがある。

肉料理には旬がない。弱みであるが、強みでもある。いつ訪れても変わらない味だ。懐かしい味や香りがダイレクトに脳を刺激して、埋もれていた記憶を鮮明に蘇らせる。ホイコーロ定食をほおばっていると、20代のころの友人が隣にいる気分になる。もちろん隣に座っていたのは、見ず知らずのサラリーマンだったけれど。

店員は大きな中華鍋にキャベツと白身多めの豚バラ肉を放り込む。秘密のスープで蒸し、独特の味噌で素早く炒めていた。平皿に飯とホイコーロを乗せる。店の雰囲気もホイコーロの味も変わらない。

味噌の風味は独特だ。中華調味料で一般的なテンメンジャンとは味も見た目も違う。日本の米味噌のような明るい茶色をしている。秘密は明かしてもらえないだろうが、味噌ラーメンに使うような米味噌をベースに、トウバンジャンなどを加味しているのかもしれない。

えぞ松(神楽坂店)のホイコーロー定食 写真=筆者

すりおろしたニンニクもなみなみと用意されている。ニンニクの誘惑を受け入れるかどうかはあなた次第だ。

白身多めの豚バラ肉、そしてたっぷりニンニク。食後の胸焼け感がたまらなく癖になる。この快感は年中享受できるわけではない。オフの日にこっそり楽しむ。

えぞ松は店舗によって微妙にホイコーロ定食の食感が違う。学生時代によく通っていたのは飯田橋本店だった。かつての場所にはない。店じまいしたのかと思っていたが、健在であることを最近知った。街の再開発で移転しただけのようだ。うれしかった。近々、訪れてみようと思っている。

えぞ松 本店

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この記事を書いた人

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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