YouTube動画を見ていたら愛知の「みそかつソース」が欲しくなった。独特の甘辛さなので、何でも「みそかつ」になると思っていた。
ところが「がんも」にかけてみたものの、みそかつとはほど遠い味だった。そこで今度は素直に、町の小さな生鮮食品店で売られていたパック入りの「とんかつ」を買ってきた。1月のとんかつは冷え冷え。かなぴい。
ソースは淀屋勇心さんの「八丁味噌味噌かつソース」である。Amazonプライムだったという理由でポチった。甘すぎず辛すぎず中道をゆく味だ。
とんかつは328円(368円でした……)。いつどこで誰が作ったものなのかよく分からない。購入した小さな生鮮食品店は八百屋であり、酒屋であり、惣菜屋でもある。毛玉だらけのジャージを着たおやじが家族経営している。不器用そうなこのおやじが揚げているとは考えづらい。この日は「近所のばあさんが財布をなくした」みたいなたわいもない話も聞いて帰ってきた。
冷えた揚げ物も温め直せばおいしくなるものだ。わが家に電子レンジはない。
厚手のフライパンとクッキングシートがあれば、揚げ物を温め直せるだけでなく、パンだってトーストできる。餅も焼ける。基本的にトースターも不要だ。
とんかつに、みそかつソースをかけた。これがみそかつ丼といわずして何であろうか。からしも添える。
むかし、名古屋で食べたみそかつに近い味に思えた。まずまず満足だ。ただし、やはり揚げたてのみずみずしさにはかなわない。私は東京でみそかつを食べられる店を探したいと思い始めたのだった。
(写真も筆者)