日本の大新聞は米法人を「トイザラス」、日本法人を「トイザらス」で書き分けているようです。しかし、日本トイザらスのウェブサイトでは、どちらも区別なく「トイザらス」。
同社は沿革で次のように書いています。
1989年11月米国トイザらス社と日本マクドナルド社の合弁により
日本トイザらス株式会社設立出典:日本トイザらス | 沿革、赤字部分は筆者による(閲覧日:2018年11月17日土曜日)
米法人は「トイザらス」「トイザラス」のどちらが正しいのでしょうか。オンラインストアの担当者に話を聞いてみたところ、日本トイザらスでは日本・米法人を問わず「トイザらス」と表記しているそうです。
米法人のアルファベットつづりはToys”Я”usです。これに合わせて、日本名は「ら」のみをひらがなにしました。裏返ったR(”Я”)は子どもたちがよく間違える文字。さらに「”Toys are us”(おもちゃは私達)から生まれたもの」という意味もかけました。これらは親しみをもってもらうための工夫です。
新聞各紙が米法人を「トイザラス」とするのは、通信社に合わせた表記なのでしょう。共同通信では次のように書いていました。
経営破綻した米玩具販売大手トイザラスを巡り、日本を含むアジア事業を管轄する会社の株式の大半が、投資ファンドなどで構成する会社に売却されることが決まった。
出典:トイザラス事業売却先決定、日本で営業継続 – 共同通信 | This kiji is、 赤字部分は筆者による(閲覧日:2018年11月17日土曜日)
米法人は17年9月に経営破綻。18年6月29日には全店舗が閉店し、惜しまれつつも70年の歴史に幕を下ろしました。
一方、日本法人の業績は堅調。18年1月期の純利益も22億円の黒字です。日本法人の親会社「Toys”R”Us Asia Limited」。その大株主は破綻した米法人「トイザラス」でした。新しい株主が決まったのは11月16日のことでした。
16日に発表されたプレスリリースではToys”R”Us Asia Limitedは「トイザらス・アジア」[1]としています。「リミテッド」は省略。日本経済新聞は4月の記事でToys”R”Us Asia Limitedを「トイザラス・アジア・リミテッド」と表記していました[2]。しかし、11月17日付では「トイザらス・アジア」[3]と変化しています。
通常は「トイザらス」と書いて問題ないでしょう。社内の決まりものがあるメディアでは米法人のみ「トイザラス」と書き分けているようです。