仕事から帰りますと、Amazonからミシェル・フーコー『監獄の誕生』が届いていました。フランスの思想家フーコーの権力論です。一党独裁の中国のような、いまの世の中を読み解くヒントがあるかもしれないと思って注文したものでした。
家庭、学校、病院、工場が監獄に共通する本質へせまります。帯には「肉体をいじめる刑から、魂を罰する刑へーー今日の監獄は、いかなる歴史的・社会的背景のなかに生れ、変遷を遂げてきたか。国家権力の集中機構としての監獄を、独特の考古学的手法に捉え、その本質と特長を摘出する」と書かれています。本書をひもとくと、最初のページから処刑の描写がはじまります。哲学書というよりは、小説のような読みやすさを感じました。
思えば、学生時代はウィトゲンシュタインという哲学者の論理学を勉強していたのですけど、さっぱりわけが分かりませんでした。哲学とはなんて退屈で眠たいものなのだろうと思ったものです。ウィトゲンシュタインではなくフーコーと出会っていたら、哲学はもっと楽しく感じたことでしょう。
くしくも、学生時代の哲学科生だった友人からはがきが届いていました。友人は『監獄の誕生』よりも面白い本がある、と書いています。川崎昌平『労働者のためのマンガの描き方教室』(春秋社)という本です。ネットで探してみると表紙に「漫画を書いて苦しい自分を変えるんだ」と書いてありました。 フーコーが面白いと感動している私に、もっと面白い本があるというは、なかなか挑戦的です。読んでみようじゃありませんか。さっそくポチってしまいました。