アイスクリームの氷河期
日本のアイスクリーム業界は、1994年から2003年まで凍りついていました[1]。値下げ競争による品質低下、ヨーグルトなど「チルドデザート」の台頭などで、右肩下がりの「氷河期」だったのです。
その氷河期も2004年から雪どけとなり、現在まで回復が続いています[2]。きっかけのひとつは、いわゆる「コンビニアイス」ブームでした。コンビニ独自の商品として並べ、売上拡大につなげたのです。
今回は、その「コンビニアイス」を食べくらべてみました。ローソンとセブンイレブンのマンゴーアイスです。ストロベリー、グレープ、アップル、バナナ…。これらとくらべますと、マンゴーはわりと最近身近になったフルーツでしょう。清涼感のある甘酸っぱさがたまりません。
セブンイレブン「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」
同じフルーツ由来でも、味わいは異なります。まずは、セブンイレブンの「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」。23文字もある長い名前です。
本物のマンゴーのような食感が人気の商品で、価格は140円(税込)とリーズナブルな価格帯です。「ICE MONSTER マンゴーバー」が果汁・果肉65パーセントに対して、セブンイレブンのマンゴーバーは果汁25パーセント。でも、後者の方が本物のマンゴーに近い食感があります。
練り込まれたもっちりとした味わい。不自然さはまったく感じません。歯ざわりから喉ごしまで、一貫してソフトな口当たりでした。
ローソンで「ICE MONSTER マンゴーバー」
次に、ロケット形のアイスバーはローソンで売られている「ICE MONSTER マンゴーバー」です。
台湾で人気のかき氷専門店ICE MONSTER(アイスモンスター)とのコラボスイーツで、価格は195円(税込)とやや高め。製造者は「ガリガリ君」でも人気の赤城乳業です。
最初にカリッとした歯ざわりで、くどさのない感食が後から続きます。マンゴーの果肉も楽しめます。「薄いアイスキャンディーの膜(シェル)を作り、その中にかき氷(コア)を入れる」[3]手法のガリガリ君を思わせます。
どちらがおすすめ?
では、どちらがおすすめでしょうか? あたり前ですが、味はどちらもマンゴー。違いは歯ざわりです。
ソフトで濃厚な味わいには、セブンイレブンの「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」がおすすめ。あえて選べというなら、こちらを選びます。一方、妻は「ICE MONSTER マンゴーバー」を推しました。素直な味わいが好みでした。
好みの問題のレベルとしか言いようがありません。もはや、ビートルズ派かストーンズ派かのような違いです(そして、両者は実は仲がよかったりもします)。
これから夏本番。マンゴーアイスの食べ比べで、2017年夏の楽しみを見つけます。本物のマンゴーを食べたいときには、冷凍マンゴー。
【脚注】
- 日本経済新聞社. 日経TEST公式テキスト&問題集2017-18年版 (Kindle の位置No.2407). 株式会社 日本経済新聞出版社. Kindle 版. ↩
- 種類別販売物量・金額|日本アイスクリーム協会 ↩
- ガリガリ君 – Wikipedia ↩