ラーメンとお蕎麦がメニューに仲良く並んでいるお蕎麦屋さん(もしくはラーメン屋さん)を、どう思いますか?
縁あって利用する食堂ではお蕎麦を注文すると、業務用冷凍庫から冷凍麵を取り出します。それをお釜に放り込むのですが、ラーメンやうどんも同じお湯で茹でます。当然のことながら、蕎麦湯などあるわけがない。
味のこだわりより効率優先の食堂を、仕事の都合もあって、頻繁に利用しなくてはなりません。なもので、この環境を肯定的に受け入れて、ここでしか楽しめないような食べ方を編み出そうと思いました。
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ラー油でざる蕎麦を食べる
メニューにラーメンがありますから、ラー油もあります。これを見て、蕎麦つゆにごま油を数滴落とすと風味が増すことを思い出したのです。ラー油をごま油に見立てれば、ざる蕎麦をさらに美味しくできるのでは? さっそく、小皿にラー油を注ぎ、席につきました。
見た目は、なかなか美味しそう。
では、ひとすくい食べてみます。
ラー油のピリ辛ごま油は、圧倒的な存在感を放ちます。中華料理風のテイストで、ざる蕎麦に宿る江戸っ子のアイデンティティを見事に崩壊させている。もはや、私たちが知っている馴染み深いざる蕎麦ではありません。
多国籍料理と考えれば、むしろ美味しいのかもしれません。我思う故に我あり、ざる蕎麦と思う故に蕎麦あり。中華風ざる蕎麦は、サバイバルな食体験を満足させてくれるでしょう。
次は、コショウでも入れてみよう。