背景から浮かび上がるものを「図」、退くものを「地」と呼びます。どちらが「図」で、どちらが「地」なのか、混乱してしまう楽しいだまし絵があります。デンマークの心理学者エドガールビンが考えた「ルビンの壺」[1]です。この「ルビンの壺」は、簡単に作ることができます。いま話題のピコ太郎さんをイメージして、私も「ルビンの壺」を描いてみました。
向き合う人物が顔として認識されると、白い部分は地。白い部分が壺のかたちとして認識されるときには、黒い部分が「地」に変わります。不思議なことに、両方をいっぺんに認識することは難しい。
図は記憶しやすく、意味を持って意識することも容易です。「図」と「地」の区別は、デザインの知識だけでなく、ふだんの遊びのなかに取り入れてみるのも楽しいものです。
【脚注】
- 参考文献:『かたち・色・レイアウト: 手で学ぶデザインリテラシー」』白石 学 (編集)、武蔵野美術大学出版局、2016年 ↩