ザ・ファームでつなぐAC/DCとレッドツェッペリン【80年代ロックの調べ】

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画像の出典:Firm

アクセル・ローズの参加など、2016年になって話題に事欠かないAC/DC。このAC/DCにはクリス・スレイドというドラマーがいる。バンド都合で解雇されたり復帰を要請されたり、ややバンド運に恵まれない。そんな彼は、いまから二十年前、ザ・ファームというバンドに在籍していた。

ザ・ファームは1984年にイギリスで結成されたロックバンド。ジミー・ペイジ、ポール・ロジャースが在籍するスーパーグループでした。このバンド名の名付け親は、あのクリス・スレイドなのです。

ザ・ファームは80年代を代表するスーパーグループのはずだけど、どことなく影が薄い。ジミー・ペイジといえば、60年代のヤードバーズ、70年代のレッドツェッペリン、80年代はすっとばし、1990年代のカヴァーデイル・ペイジやペイジ・プラント…といった印象でしょうか。つい、ザ・ファームを忘れちゃう。

ところで、80年代当時、ドラムのサウンドはジョン・ボーナムに由来する「ズドン」とくるパワーステーション風が流行っていた。クリス・スレイドは本来、小細工なしのエイトビートが特徴なのだけど、当時の流行を感じさせるサウンドもなかなか良い。

シングルカットされた「Radioactive」は全米28位と、そこそこのヒットに。カントリー風のアコースティックギター、意味不明のミュートしたギター。ややダサいのだけど、不思議とやみつきになる。

発表した二枚のアルバムで、オススメはファーストの「Firm 」です。よく聴くと、レッドツェッペリンの延長上の曲もある。たとえば「Midnight Moonlight」という曲。

この曲はWhiteSummerの再解釈だろう。

ザ・ファームには、レッドツェッペリンやバッドカンパニーと違う洗練さがある。フロントの二人だけが魅力ではなく、トニー・フランクリンのフレットレスベースはとても雄弁で、注目に値する。ちなみに、彼はフェンダー社の社員でもある。

ポール・ロジャースの泥臭いボーカルも、他の三人のサウンドに相殺されて、夜の静寂に包まれたようなサウンドに仕上がっている。というわけで、AC/DCにかこつけた書き出しでしたが、実はいまだ愛聴する「Firm」について書いてみました。もっと評価されて良いバンドではなかろうか。

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この記事を書いた人

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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