「美術作品は実際の作り手のほか画商や収集家、美術館などの存在があって初めて歴史に残る」という意見もあります[1]。美術作品と出会うには、作る人、集める人、そして見せる場所が必要ですよね。
銀座に所用があり、東銀座駅の改札からのびる薄暗い地下道を歩いていました。通路の両脇は「銀座プロムナード・ギャラリー」 [2] として利用され、美術の街に相応しい、挑戦的な絵がたくさん集っている。
市民の美術作品と出会う、ちょっとした美術館になっています。銀座を訪れたときには、ここを歩くのも楽しみ。
クセになる魅力を放つ佐藤水紀さんの作品が、好きになった。どう猛なワニが、水辺のシマウマたちに忍び寄ります。危険に気づいた一頭のシマウマが、目を見開き驚きました。その表情が、キュートで面白い。
よく見ると、目の部分はシールのようなもの(?)。アイデアに感心しました。
もうひとつの作品は、「やめてぇー」というタイトルです。どちらの絵も、シマウマの目の表現が特徴的。ピンポイントで使うピンクが画面を引き締めている。シマウマの俊敏な動きから、若々しさと、ユーモアを感じました。
佐藤水紀さんの絵をお部屋に飾ったら、エネルギッシュなパワーがみなぎる予感がします。
【脚注】
- 「(鑑賞術)戦後美術を作った人々(1)ピカソとアルフレッド・バー・Jr MoMA大河の源流」池上裕子 2016/3/2付日本経済新聞夕刊 ↩
- 銀座プロムナード・ギャラリー | レンタルギャラリー・貸し画廊 Rental Gallery jp ↩