寺山修司は女性について、こう言っている。
私は、運の悪い女がきらいである。
なぜなら、運のわるい女は美しくないからである。出典: 馬敗れて草原あり (角川文庫)
反論を期待するかのような、非常にそそられる言い切りだ。
かつて、私がまだ若造だったころ、当時親友と呼び合っていたS君と「不幸な女」たるものについて話し合ったことを思い出す。 とにもかくにも、不幸な女は、魅力的で危険だということであった。ハッピーなジャニス・ジョッブリンだったり、ジョニ・ミッチェルなど考えられないものだ。
「不幸な女」と「幸せな女」では、どちらが人を幸せにするのかと言えば、圧倒的に後者である。というのも、幸せを知っている人が、幸せを教えることができるに違いない。だから、危険な女性の誘惑には気をつけようと、若造だった私たちは貞操を守るべく固く誓ったのだった。
とはいえ、ときどきは危険な魅力を知りたくもなる。そんなときは、辛酸なめ子の著書を紐解くのだった。辛酸なめ子さんのガーリーな毒に、オッサンの心の痺れるのである。
危険な世界のたしなみは、読書に留めておきましょうね。
女子の国はいつも内戦 (河出文庫)
posted with amazlet at 15.07.29
辛酸 なめ子
河出書房新社 (2014-05-08)
売り上げランキング: 135,321
河出書房新社 (2014-05-08)
売り上げランキング: 135,321
寺山修司名言集―身捨つるほどの祖国はありや
posted with amazlet at 15.07.29
寺山 修司
パルコエンタテインメント事業局
売り上げランキング: 87,140
パルコエンタテインメント事業局
売り上げランキング: 87,140