「秘蔵の名品 アートコレクション展日本の美を極める」レビュー

 2014年8月8日(金)~8月31日(日) 24日間、ホテルオークラ東京のアスコットホールにて、「秘蔵の名品 アートコレクション展日本の美を極める」が開催されています。日本人画家の巨匠たちの絵画展から、私がグッときた作品をいくつか紹介します。

目次

高橋由一

墨水桜花輝耀の景(ぼくすいおうかきようのけい)

 2014-08-24-00.09.18

画像引用/図録より

 「名所江戸百景・亀戸梅屋舗」のような、日本人文化が培った独特の構図が魅力的。本来、主役となってもおかしくないような背後の風景を分断する桜は、作っては壊しの“ロケンロー”な魅力を宿していると思う。

竹内栖鳳

河畔群鷺

 2014-08-24-00.12.50

画像引用/図録より

 「一筆書き」と言っても過言ではない筆さばき。金屏風に、下書きなしで、こんな大胆な描き方は、小心者にはできないことでしょう。小心者の私は、下書きがなくては、絵は描けません……。男っぷりを感じます。

円山応挙

《鶏》《花篭》《猫》

 2014-08-24-00.13.01

画像引用/図録より

 先の竹内栖鳳の「河畔群鷺」からは、「どうだ、俺は絵が上手いだろ!」と問答無用の迫力を感じます。観る者は、敗北を感じてしまうかも。それに対して、円山応挙は、どこかしら「へた」っぽい。本当にヘタなわけはありません。でも、クビが妙に短かったりする円山応挙の動物たちは、愛すべき可愛らしさがあります。観る者に、円山応挙は勝負を挑まず油断させ、その魅力をすり込もうとするかのようだ。

美術的な和の魅力を学ぶ

 日本人が海外の人々に、訴えかけることができる魅力は《和》だと思う。《和》の魅力は、日本の文化のなかで生活している者が、オリジナルな美術的な価値として海外に発信できる数少ないアドバンテージの一つ。日本人画家の巨匠たちから、まねごとではない作品を生み出すヒントを感じたいものです。デートも兼ねて、ホテルオークラへ遊びに行くのもいいかもよ。

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この記事を書いた人

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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