ベストセラー『プレゼンテーションZEN 』『シンプルプレゼン』の著者ガー・レイノルズの言葉には、映画『スターウォーズ』のセリフが引用されることがある。そこで興味を持って映画「スターウォーズ」を観てみると、なるほど名言が詰まっていた。
パドメをめぐる夢
映画「スターウォーズ」新三部作に登場するアナキン・スカイウォーカーは、愛するパドメの死を予知する夢を見る。アナキンが師のヨーダに相談すると、ヨーダはこう言うのだった。
執着を捨て、強い心を持て
死は生の一部だ。受け入れなければならない。
アナキンは師の言葉を受け入れることができず、心を静めることができなかった。ここにつけ込むように、悪の世界の住人たちがアナキンを誘惑する。「ダークサイドの力を手にいれれば死もコントロールできる」というシスの暗黒卿の言葉にほのめかされ、悪の世界に墜ちてしまうのだった。「死もコントロールできる」と信じるアナキン(ダース・ベーダー)は、いかにも不自然であり、弱さを含めて運命を受け入れることができない姿は、しなやかさに欠けると思った。
悲しみにも、しなやかに対応
奇しくも義父と実夫の両方が、夏の暑さのせいか、働きすぎなのか、体調を崩してしまった。どちらの父も70歳近い年齢なので、私も妻も不安な時間を過ごした。そんな時、ヨーダーの台詞が心に浮かんだのだった。
愛するべき人たちとの別れは、いつか必ずやってくる。流れに身をゆだねなければならない時もある。パドメとアナキンのように、愛する妻との今生の別れすら、私にもきっとやってくるだろう。私自身もいつかこの世界から去るだろう。現実の世界に私たちを置いたままどこかへ立ち去ろうとする者を“赦”さなくてはならない。すべての人やモノはいずれ消えて、いずれ忘れ去られるだろう。私たちは、弱い存在だ。
サヨナラの練習
不死を願うことは、現実的ではない。現実に生きるなかで、多くの悲しみに遭遇するだろう。これに対して、私たちはしなやかでありたい。「執着を捨てて、強い心を持ち、死は生の一部だ。受け入れる」意識的な心がけが、日々必要なのかもしれない。
丸善出版
売り上げランキング: 2,861