2024年のゴールデンウィークに、ジャスミンは実家で母と過ごし、30年前に購入したカルティエの三連リングと腕時計、母のプラチナダイヤモンドの指輪を売却することにしました。
母の願い
2024年のゴールデンウィークのある日、私は実家で母と過ごしました。母は「ジャスミンにお願いしたいことがあるの」と言いながら引き出しからあるものを出しました。それは、私が20代の頃に購入したカルティエの三連リング、腕時計、そして母の私物のプラチナにダイヤモンドが入っている指輪でした。
私は一気に30年前の自分に戻り、買ったことを思い出しました。三連リングは約8万円でした。サイズが合わなくなり、サイズ直しが高額だったので諦めた記憶があります。革ベルトの腕時計も約10万円でしたが、ベルトで肌が荒れてしまいました。両方とも母に「もう使わないから使ってね」と押し付けたのです。母が使っていた時期もありましたが、最近はずっと使っていなくても、気にもしていませんでした。
30年前の自分に戻り驚いている私に、母は「指輪も腕時計もジャスミンが使わないと言っていたのでしまっておいた。時計は時計の中とベルトを直してしばらく使っていたけれど、ベルトが傷んできたのでそのまま使わずにしまっておいた。でも時計はもう壊れている」「プラチナにダイヤモンドの指輪は重いし付けて行く場所もないので持っていても仕方ない」と言いました。
30年も保管しておいてくれたお礼を言うと「ジャスミンが使わないなら貴金属買取のお店で売ってきてほしい。ついでに私の指輪も売ってきて。重くて使いにくいし、つけていく場所もないから」と託し、帰宅しました。
貴金属買取店へ、査定と駆け引き
連休明け、全国展開している貴金属買取店に電話をしました。壊れていても、30年前の指輪でも買い取ってもらえるか尋ねると、「素敵なお品をお持ちのようですね。もちろんです、喜んで買い取らせていただきます!」「壊れていても問題ありません!弊社にはメンテナンス部門がございますので、ご安心ください!」と、とても明るい声で対応してくれました。会社の近くの店舗を予約し、電話を切りました。
仕事帰りに予約した時間にお店に着くと、若い男性店長が名刺を出して丁寧に出迎えてくれました。店内を見回すと、多数の防犯カメラに加え、Google Mapの口コミ評価4.8以上の店舗に贈られる表彰状らしきものが飾られていました。この光景を見て、もしかしたら、その場で良い口コミを書けば何かサービスを受けられるかもしれない、と期待感が膨らみました。
店長はにこやかで優しい口調で、楽しく会話しました。
「どうして売却しようと思ったんですか?」「今までにこういうお店で売却したことはありますか?」「いくらなら売ろうと思いますか?」と聞かれました。母に売却を頼まれた。20年以上前、購入したブレスレットやネックレスが壊れて売却したことはありますが買取価格は覚えていない、買ったときの金額は高かったけど、もう30年も経っているので買取価格は考えていない、などと答えました。店長は「これから査定します」と奥の部屋に入り、私はしばらく一人で部屋に残されました。
10分くらい経ったと思います。
査定金額は
壊れているカルティエの腕時計8,000円
傷だらけのカルティエの三連リング15,000円
母のプラチナダイヤモンドの指輪16,000円
合計39,000円でした。
中途半端な金額だなと思っていたら「Googleマップで高評価をつけていただければ千円アップ、ちょうど4万円で買い取ります」とのこと。スマホを取り出し、Googleマップで星5つをつけて、親切丁寧でよかった、などとコメントを入力して店員に見せたら、すぐに4万円に変更されました。
身分証明書を見せてから現金を用意され、本部の人と電話で氏名、買取金額などの確認をして終了。
思いがけない臨時収入、そしてその後
母に金額を報告したら「カルティエの指輪と腕時計はジャスミンのだから、代金はジャスミンの分にして。私には指輪の分だけでいいから」と言われましたが、長い間保管しておいてくれたのに申し訳ないと思い、2万円ずつ折半。すぐに母の銀行口座に振り込みました。母からは「眼鏡を買い換えようと思っていたのよ、ありがとうね」とお礼のメッセージが届きました。
カルティエの三連リングはフリマサイトで高額で取引されていますが、個人対個人の取引で何か問題があったときの対応に自信がないため、貴金属買取のお店に依頼しました。3つで合計4万円は高額なのか、安いのか、全くわかりません。それでもすっかり忘れていた指輪、壊れている時計が売れて大満足です。
30年前の自分に会えたような不思議な感覚、長い間保管しておいてくれた母への感謝、そして思いがけず2万円のお小遣いが……。1万円はカチカチの体をほぐすために整体に行き、残りの1万円は欲しかったものを買い、使い切りました。
後日、私のスマホに知らない電話番号から着信がありました。さっそく検索すると、買取依頼したお店からでした。後日、電話に出てみると、買取できるものがあるかという営業の電話でした。今のところ買取を検討しているものはないとお伝えし、電話を切りました。その後も何度か電話がかかってきましたが、仕事中だったので出ませんでした。