就眠中の歯ぎしりで、歯をすり減らしてしまう癖があります。歯のダメージ防止のため、マウスピースをつけて就眠することにしました。歯ぎしり防止のマウスピースは保険適用で、5000円ぐらいで作れるんですよ。
最近は歯全体がすこぶる快調です。歯のすり減りを防げただけでなく、歯ぐきまでひきしまってきたのです。理由を、次のように考えました。マウスピース洗浄で利用する義歯洗浄剤(商品名「ポリデント」)の除菌効果の影響では?
この仮説を検証するため、各専門家に「義歯洗浄剤に虫歯や歯周病抑制の効果はあるか?」という質問をしてみました。まずは、かかりつけの歯科衛生士さんです。以下のお答えが返ってきました。
聞いたことがありません。データもないので分かりません。くれぐれも、お口のなかへ義歯洗浄剤を直接に入れないでくださいね。くすくす(笑)
(2017年7月5日取材)
まさか、「直接お口のなかに義歯洗浄剤を入れないように」と心配されるとは。とほほ。
次に、義歯洗浄剤「ポリデント」の輸入元、製造販売元であるGSK(グラクソ・スミスクライン)コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社のお客様相談窓口[1] に質問してみました。すると、丁寧なお答えをいただきました。
お口のなかには、さまざまな常在菌(じょうざいきん)がいます。ポリデントでは、カンジタ菌の除菌・洗浄効果は確認できています。しかし、義歯洗浄剤ですべての菌を除菌はできません。
虫歯の原因となるプラークは、軽い汚れの状態ならつけ置きで洗浄効果は見られます。しかし、石化した状態になるとブラッシングが必要になります。ポリデントに浸したマウスピースで虫歯菌の抑制があるかは確認できていません。
(2017年7月5日取材)
正当なお答えです。義歯洗浄剤の仕事は虫歯防止ではなく、マウスピースや義歯の洗浄なのですから。
結論として、義歯洗浄剤で虫歯抑制する科学的な検証結果はありません。「歯ぎしり防止マウスピースを入れ歯洗浄剤で洗浄すると歯全体が快調になった」というのは、私一個人の雑感に過ぎなかったようです。
お口の健康を維持するため、丁寧なブラッシング、忘れがちな歯間ブラシも忘れずに心がけたいと思いました。
【脚注】
- 製品・害虫駆除に関するお問い合わせ|お客様相談窓口|アース製薬株式会社 ↩