学生時代の話です。
「レジに並ぶのが面倒で、つい万引しちゃんだよね〜」と罪悪感もなさそうに語る、尊敬できない知人がいました。このとき私は「万引って、必ずしも貧しいからするとは限らないのか」と驚きました。
かつて、フォークシンガーの三上寛は「子どもを背負った泥棒よ キャベツ一個盗むのに涙はいらないぜ」と歌いました。悲しくも、人生には逆境を生きることもありましょう。しかし、こうしたことを差し引いても、やはり万引は悪です。お店への裏切り行為です。
「金はあるが、レジに並ぶのが面倒だ」。こんなモノグサな連中対策にも、すみやかに会計が終わる、ICタグを使った無人レジは有効でしょう。
新聞によると、大手コンビニが全店全品にICタグ導入を宣言したそうです。目的は2つで、商品管理とレジの効率化です。
ICタグと聞くと難しそうですが、「おサイフケータイ」の一種と考えればやさしいでしょう。日本で定着した名前はまだなく「電子値札」「電子タグ」「無線タグ」「無線ICタグ」「RFタグ」と呼ばれることもあります。英語では「Integrated Circuit Tag」と呼び、日本語に直訳すると「集積回路札」となります。最近の普及の背景には、1個あたり10円以下で生産できるめどのついた低価格化があります。
印刷物のバーコードと違い、ICタグは電波を発しています。この電波を受信するレシーバーと組み合わせて利用します。バーコードに対するアドバンテージとしては、以下があげられます。
- データ量が多い
- データの書き込みができる
- 暗号処理ができる
- 汚れに強い
-
複数同時読取ができる
- 盗難防止に活用できる
商品にICタグを装着すると、顧客が求める商品の在庫確認、納品時期を瞬時に把握できます。適切な素早い対応も可能になります。それ自体が電波で情報を発するICタグは、盗難防止に活用できます。無人レジだからと言って、万引きがしやすくなるわけではないのです。
この話題からは、あらゆるモノがインターネットでつながるIoTという時代が垣間見えてきます。
参考にした主な資料、関連ページ:ICタグシステムってなんだろう : 富士通研究所、ICタグシステム | 導入へのロードマップ、全コンビニに無人レジ 大手5社、流通業を効率化:日本経済新聞