目次
なぜか途中で階段に変わる地下鉄のエスカレーター
都営浅草線のような古い地下鉄には、謎があります。
途中で階段に変わるエスカレーターがその一つ。どうせ作るなら、最後までエスカレーターにすれば良いのに。障がい者や高齢者、妊婦さんなどにも、がぜん便利になるはず。
都営地下鉄の駅員さんに理由を聞いてみました。
バリアフリーとユニバーサルデザイン
答えは、明解でした。
都営浅草線の古いエスカレーターには、バリアフリー[1]の考えが、そもそもないのだそうです。ええっ、まじですか!途中から階段になるデザインの意図は、駅員さんにも分かりません。
謎に思えたエスカレーターは、都営浅草線開業当時から設置されています。半世紀前の1960年。バリアフリーとかユニバーサルデザイン[2]という言葉自体が、まだ存在していません。バリアフリーは1970年代から、ユニバーサルデザインは1980年代から広まった考えです。
地下鉄の古いエスカレーターは、健常者がそこそこ便利に利用できれば良いと設計されたのでしょう。さまざまな人が利用する今日では、このデザインは少々古くなってきたようです。ちなみに、改修計画はないとのことでした。
なお、新しい都営地下鉄の大江戸線は、エスカレーターやエレベーターを上手に組み合わせ、誰でも快適に利用できる作りにはなっているそうです。