【インターネット】Gunosyの動きからバイラルメディアの展望をうらなう

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今年5月頃のGunosy(グノシー) には勢いがあった。2000円台の高値をつけ、飛ぶ鳥を落とす勢いだったGunosyの株価が、ここ最近は下降傾向が続いている。特にインターネット関連株が軒並み株価を落としている動きはないので、Gunosyに限った動きにも見える。

一時的なものかもしれないが、ウォッチャーを含めてメディアに関心がある者にとって、この下降の動きを考えてみることは、業界の行く末を見る上で意味があるだろう。

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人気のビジネスモデルとなったGunosy

Gunosyとバイラルメディアの関係は、新聞社と通信社の関係に似ている。バイラルメディアはキュレーターが拾ってきたネタを発信し、この有象無象のネタをGunosyはニュースアプリで束ねて読みやすく配信する構図だ。

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Gunosyに代わるニュース機能を、いままで情報源の立場だったTwitterやFacebookが備えはじめ、そしてAppleもiOS9でニュースアプリ「News」を発表した。5月をピークにGunosyの株価は下がりはじめ、9月30日にSpotlightなどを運営するサイバーエージェントと広告事業の提携を発表するものの、投資家心理に良い影響を与えきれていないようだ。

バイラルメディアはどうなるのか

「バイラルメディア」とGoogle検索をしても、2015年11月5日現在、これといった真新しい話題はヒットしない。

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2015年の春頃、Gunosyのようなキュレーションメディアになることを新興ウェブメディア関係者にとっては、目指すべきゴールに考えていたかもしれない。この時期に、新興ウェブメディア関係者がどのような舵取りを判断していたかで、今後の展開に影響が表れそうだ。

メディアとして成熟をめざすのか、ゲーム事業など他分野でさらなる成長を探るのか、企業価値があるうちに身売りするのか、それとも第二のGunosyをめざすのか。「第二のGunosy」をめざしたメディアは、同様の機能を備え始めたTwitterやFacebook、Appleの前に苦戦を強いられるだろう。

常にオリジナルの情報自体は、需要がある。オリジリティがある記事を織り交ぜて配信できる、たとえばハフィントンポストのような大手ニュースメディアが生き残っていくように感じる。

「Gunosyとバイラルメディアの関係は、新聞社と通信社の関係に似ている」というのは、重要なポイントだと思う。新興メディアは「新聞社」になりたいのか、それとも「通信社」になりたいのか明確にし、舵取りを行う必要がある。

そしてニュースアプリ以上のワクワクする話題が、いまのGunosyには必要かもしれない。

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この記事を書いた人

法政大学文学部哲学科卒。編集関係の業務に従事。金融、教育、スポーツなどのメディア運営に携わる。FP2級、宅建士。趣味は絵画制作。コーヒー、競輪もこよなく愛す。

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