DVDの整理をしていた。オリバー・ストーン監督の「Platoon」に、つい見入ってしまった。古さを感じさないと思った。80年代に観た感動が、そのままだった。公開当時1986年代に振り返っても、2013年の今いつ振り返っても、いつでも「過去」の風景なのだ。だから古さを感じさせない。「2001年宇宙の旅」が永遠の未来であるように、Platoonで描かれた1967年は永遠で共通の過去なのだ。
いまさらながらだけど、Platoonは、哲学者のプラトンのことではなく、軍隊用語での「小隊」の意味である(注)。チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・ベレンジャー、フォレスト・ウィテカー、ジョニー・デップ…。名優揃いの名作だけど、俄然、「エライアス」役のウィレム・デフォーのセクシーさが格好いいと思う。
Platoonを観て思うのは、アメリカ文化の懐の深さだ。必ずしも名誉ある歴史ではないベトナム戦争を、批判的に訴えかけてるにもかかわらず、商業的にも成功し、なおかつ映画というエンターテインメントとしても成功している。敗北、虐殺、レイプ、薬物汚染、仲間割…。「和をもって尊しとなす」日本では、このような映画を作ることは難しいだろう。
時にコッポラ監督の「地獄の黙示録」であったり、キューブリックの「フルメタル・ジャケット」であったり、ベトナム戦争映画では名作が多いことは興味深いことだ。
(注)Wikipedia/プラトーンより